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クライマーズ・ハイ

2016年4月14日

 

 

こんにちは。

 

桜が咲いてから雪が降ってみたり、最近の天気はホントに極端ですね。

体調管理にお気を付け下さい。

 

さて、今回紹介する映画は原田眞人監督「クライマーズ・ハイ」です。

 

クライマーズ・ハイ

 

群馬の地方紙である北関東新聞社で遊軍記者の悠木(堤真一)は、

社内の登山サークルの安西(高嶋政宏)とともに山に登る約束をしていたその前日、

乗客524名を乗せた羽田発大阪行きの日航機が群馬と長野の県境に墜落。

史上最悪となる航空機事故の全権デスクを命じられ、熾烈な報道合戦に身を投じることになる。

大規模事故を報じる新聞社の興奮と激動の一週間を描いた作品です。

 

1985年8月12日に起きた御巣鷹山日航機墜落事故を当時、地方新聞社の記者として

取材した横山秀夫の体験を元に書かれた小説が原作です。

高校野球の話題などが飛び交っていた何気ない編集局の雰囲気が、速報が入るとともに

空気が一変。とにかく丁々発止のやり取りがすさまじく、臨場感を味わえます。

見出しをどちらにするか、どの記事を一面にするか、この事件の全権デスクを命じられた

悠木はとにかくいろんな決断を迫られます。

観ているとどうしても視聴者は主人公に肩入れしてしまうので、横やりが入るたびに

ヤキモキさせられました。

編集局内に怒号が飛び交うようなシーンが多々あるのですが、真夏にクーラーのない部屋で

撮影していたので、本当にイライラしており白熱のシーンが撮れたそうです。

 

今観ると30年以上前の話なので、一番感じるのがやはり通信手段の差です。

一人一人が携帯電話を使用しているような現代とは違って、編集局の電話は黒電話。

現場に行っても通信手段がないために麓に下りて民家の電話を借りるか、

公衆電話を探すという状況で、現場に行った佐山(堺雅人)は現場雑感を

電話してくるのですが、これはとある理由で紙面に載らないのです…。

載せられないことを告げられず、さりとて佐山の決死の取材を無駄にもできず、

メモをとることしかできない…。

その悠木の葛藤が痛い程に伝わってくるけど、山を下りた佐山には噛みつかれるし、

踏んだり蹴ったりですが、そこをまとめていくのがデスクの仕事です。

あとは、自分の机でタバコを吸って灰皿には山のように吸殻が、なんてのは

今の映画ではお目にかかれないシーンですね。

 

クライマーズハイとは登山時に気持ちが高揚し、興奮状態が極限まで達して

恐怖心さえ麻痺してしまうことです。

事故原因に関するネタを掴み、他紙を出し抜いてスクープを抜けるか、

そのネタのウラをとるために佐山からの連絡を待つ悠木をはじめ、

編集部はまさにそのクライマーズハイ状態です。

しかし、そのクライマーズハイが怖いのはそれが解けた瞬間で、

心の中にある不安や恐怖が一気に溢れ出し、全く動けなくなるそうです。

佐山の電話を受け、ゴーサインを出すか否か。

この瞬間に悠木のクライマーズハイは解けて身動き取れない状態になるのですが、

悠木がどんな判断を下すのか、映画でご確認ください。

今は誰でも簡単に情報を発信できるようになりましたが、報道に携わる人でなくても

このウラをとる、という作業を蔑ろにしてはいけないと思いました。

 

この映画はとにかくセリフのやりとりが肝で、演じる俳優も味のある方ばかり。

遠藤憲一、田口トモロヲ、マギー、堀部圭亮、矢柴俊博、滝藤賢一と数え上げると

キリがないのですがその中でも、私は整理部長の亀嶋を演じたでんでんがイチオシです。

私の中では最優秀助演男優賞を差し上げたいくらいでした。

 

この小説は映画になる前にNHKで映像化されており、こちらの悠木は佐藤浩市、

佐山は大森南朋が演じております。

事故に関するストーリーはほぼ同じですが、キャラクターの性格や悠木の家庭の描かれなど

異なる部分が多々あるので、両方観て違いを楽しむことができます。

NHK版では当時のニュース映像がそのまま利用されているので、

当時まだNHKの記者だった池上彰の姿も確認することが出来ます。

個人的には映画版は人間模様や駆け引きの機微、人物の背景の描き方、ストーリーの構成は

NHK版がよかったです。

 

さて、次回も横山秀夫の小説が原作の映画を紹介します。

アルツハイマーの妻を殺害し、3日後に出頭した男の空白の2日を追う物語です。

(敬称略)

 

 

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