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東京バンドワゴン

2016年6月9日

 

 

こんにちは。

 

前回紹介した「おにいちゃんのハナビ」で主演を務めた高良健吾は熊本出身なのですが、

熊本地震後、ボランティアに駆け付けたという記事をご覧になった方も

多いのではないでしょうか。

彼が同じく熊本出身の行定勲監督に「熊本で映画を撮りましょう」と提案し、

石田えり、橋本愛、米村亮太朗、姜尚中、くまモンなどが集結し、

昨年撮影されたのが「うつくしいひと」です。

今、熊本の支援を目的としたチャリティ上映が全国各地で開かれているのですが、

19日(日)にせんだいメディアテークで上映されます。

熊本城はじめ、美しい熊本の景勝地を映画のなかで確認することができる機会です。

入場料は熊本の支援に充てられるそうです。

岩手県では今のところ、7月3日(日)紫波町シワキネマ、

7月31日(日)釜石てっぱん映画祭プレイベントでの上映が予定されています。

興味のある方、お近くで開催される際にはぜひ!

 

さて、今回紹介する小説は小路幸也「東京バンドワゴン」です。

 

東京バンドワゴン

 

東京の下町にある老舗古書店・東亰バンドワゴン。

堀田家は79歳の勘一を筆頭に4世代・8人が暮らす大家族で、

古書店と併設のカフェを切り盛りしている。

亡くなった勘一の妻・サチがストーリーテラーとなり、堀田家に巻き起こる様々な出来事や

堀田家に持ち込まれるちょっとした事件を万事解決していく物語です。

 

前回の予告でもちょっとだけ書きましたが、この作品はシリーズで続いており、

毎年1冊ずつ刊行されているのに伴って、登場人物も年を重ねたり、

新しい登場人物もいたりするのですが、今回は1作目を基準に紹介いたします。

 

まずは当主79歳の勘一は明治から続く古本屋・東亰バンドワゴンの3代目。

矍鑠(かくしゃく)としており、いかにも下町生まれ下町育ちというじいちゃんです。

お気づきになったかもしれませんが、店名の方は旧字の“亰”の字が使用されております。

老舗ならではですね。

その一人息子・我南人(がなと)は60歳で伝説のロッカーで、根無し草のように

フラフラしているわりには家族の一大事という時にはいつのまにか戻ってきて

うまく立ち回ります。

我南人の子・長女はシングルマザーの藍子(35)、元大学講師の紺(34)、

愛人の子供でありますが堀田家の次男として藍子たちと分け隔てなく育てられてきた

旅行添乗員の青(26)、紺の家族、藍子の子供も加わり総勢8名の大所帯で暮らしています。

なので、毎朝繰り広げられる食事のシーンは賑やか!会話が入り乱れているので、

誰の発したセリフなのかよくわからない時も多々ありますが、そのあたりは雰囲気で

楽しんでください。

 

現役のミュージシャンでもある我南人は、金髪頭の目立つ風貌でフラフラしており、

普段は頼りがいがないのですが、孫に「家出は若者の特権だねぇ。年取ってからやると

失踪者になっちゃうからねぇ、今のうちにどんどんやりなさい」とか

「ケンカは若者の特権だねぇ。年取ってからやると犯罪になるからねぇ」なんて

ちゃらんぽらんなくせに妙に含蓄のある言葉を放ったりします。

憎めない人物で、孫からも尊敬されているという奇特な人です。

 

この堀田家を中心に、お店の常連さんやご近所さんなどが加わって、

にぎやかな会話が繰り広げられ、いろんな相談事が持ち込まれてくるのですが、

堀田家の家訓である「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」

に則って、事は収まるところに収まります。

このシリーズは大団円の話ばかりなので、安心して読める作品です。

小説界の水戸黄門といったところです。

 

古書店が舞台なので古今東西問わず多くの小説や文豪が紹介されています。

古本屋ってのんびりしているイメージがあったのですが、読んでいると

ずいぶんやること多いんだなぁって、イメージが覆されました。

春夏秋冬の季節の変化を鮮やかに切り取った風景描写も素敵で、

毎年読んでいると堀田家を定点観測する、ご近所さんになった気分です。

2013年にはドラマ化もされましたが、ぜひ原作小説で堀田家を体感して貰いたいです。

 

さて、今回は大家族の小説を紹介しましたので、次回はさらに大人数!

長野の旧家に親族が一堂に会して世界の危機に立ち向かうアニメ映画をご紹介します。

小さい頃の夏休みを思い出します。

(敬称略)

 

 

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